仁川アジア大会
第17回アジア競技大会(2014/仁川)
1951年の第1回ニューデリー大会は6競技でスタートしたアジア大会だが、第3回の東京大会は13競技となりその後も徐々に競技数が増加することとなった。五輪のアジア版として五輪実施競技を中心にしていた大会は「アジアの友好」の旗印の下、アジア特有の競技や、日本、中国、韓国の3強以外でもメダル獲得の可能性が見込まれる競技を取り入れる動きが生まれ、変貌を遂げていくこととなった。
足で行うバレーボールのセパタクロー。1990年の北京大会から採用された
五輪で実施されている競技以外では、1978年の第8回バンコク大会でボウリング、1982年の第9回ニューデリー大会でゴルフが採用された。肥大化の傾向が著しくなったのは1986年の第10回ソウル大会からだ。朝鮮半島にルーツを持つ格闘技のテコンドーが、韓国でもメダル獲得の期待が高い柔道とともに採用され、競技数は25になった。1990年北京大会ではインドなどで親しまれている鬼ごっこに似たカバディや、中国発祥の武術太極拳、足で行うバレーボールといわれるセパタクローなどが追加された。1994年広島大会では日本が強い野球、空手、ソフトテニス(軟式庭球)などが加わり、競技数は34にまで膨らんだ。アジア特有の競技を盛り込むとともに、開催国にとってはメダル獲得につなげようという思惑ものぞく新競技導入が相次いだ。
前回の広州大会に出場した大石奈緒。ボウリングは1982年のニューデリー大会から正式競技となった
1998年バンコク大会はさらに増え、スカッシュ、7人制ラグビー、ビリヤードが加わった。2002年釜山大会ではボディービル、2006年ドーハ大会ではチェスが競技として採用され、2010年広州大会ではダンススポーツ、クリケット、ドラゴンボートが正式競技の仲間入りを果たして実施競技数は42にまで膨れあがった。チェスの種目のひとつとして囲碁も行われた。
肥大化が続けば開催都市が一部の国に限られてしまうことを懸念したOCAは、2009年の理事会でアジア大会の競技は28の五輪競技と、大会組織委員会とOCAが協議して決めるアジア特有の競技最大7の計35競技以内とすることを確認した。仁川大会は五輪以外の競技を7競技に絞り込むことはできず、野球、空手、ボウリング、クリケット、カバディ、セパタクロー、スカッシュ、武術の8競技が実施される。また、ソフトボールは野球と統合した形となり、ソフトテニスはテニスの種目として行われる。(共同)