ユースオリンピックでは、競技の結果のみならず、「文化・教育プログラム」に参加することで選手の真のチャンピオンとしての人間性を磨き、オリンピックの意義を学び、再認識し、これらの意義を日常生活に反映できるかを考えさせることも大きな目的となっています。
このIOC「文化・教育プログラム」をイメージさせるとともに、日本代表選手団の一員としての自覚と一体感をつくるために、JOCは日本代表選手団員に対し、「JOC文化・教育プログラム」を選手団の出発前夜に行いました。
まず冒頭で福井烈・日本代表選手団総監督が、日本代表選手団の心構えについて説明。さらにユースオリンピックの「文化・教育プログラム」について映像を交えて紹介し、現地でのイメージ作りを行いました。「『チャンピオンとの会話』のプログラムは英語ですが、日本からは杉山愛さんも招待されています。英語に不安がある選手は、まずは杉山さんのプログラムに参加するのも良いでしょう」などと、積極的な参加を呼びかけました。
続いて行われたのは、「オリンピアンとの座談会」。内村航平選手(体操)、太田雄貴選手(フェンシング)、潮田玲子選手(バドミントン)、柴田亜衣さん(水泳)、田辺陽子さん(柔道)の5人を講師に招き、選手が直接オリンピアンと触れ合える機会を作りました。選手は、試合の臨み方や練習方法などを積極的に質問。太田選手は「試合で緊張をするのは、準備が不足している証拠である。誰よりも厳しい練習をこなしていれば、これが自信となり、試合での緊張も和らぎ、自分の実力を発揮できるようになる」「ストレスやプレッシャーのない試合など無い。日頃からどうストレスを受け止めるかの練習をすることが大事」、内村選手は「普段の練習を試合だと思い、試合は練習のようにパフォーマンスすることを心がけている」などとアドバイスしていました。
続いて1時間半をかけて行われたのが「交流・結束プログラム」。
JOCキャリアアカデミーディレクターの八田茂氏を講師に、選手や監督が身体を動かしながらプログラムに取り組みました。
グループに分かれていくつかの課題をクリアするタイムを競いあうことで団結力を高めるもの、自己紹介やパートナーの紹介を通して互いのコミュニケーションを促進するもの、など様々なプログラムをこなすうち、選手や監督に一体感が生まれた様子でした。
最後に、3つのテーマで講義が行われました。田辺陽子JOCアンチ・ドーピング委員会副委員長は「アンチ・ドーピング」について、IOCスポーツと環境委員会委員の水野正人JOC副会長は「環境」について。
そして竹田恆和JOC会長は「オリンピズムとJOCの歴史」について講義しました。
竹田会長は「オリンピックムーブメントは、スポーツを通じた世界平和運動になります」と締めくくりました。
選手たちは、初めての体験に興味津々といった様子で、あっという間に3時間以上にわたるプログラムは終了。
「チームジャパン」として一致団結し、シンガポールへと飛び立ちました。現地での「文化・教育プログラム」にも積極的に参加し、多くの体験をしてきて欲しいですね。
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