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2024.04.15 その他活動

「令和5年度JOCアスリートフォーラム」を開催

令和5年度JOCアスリートフォーラムを開催(写真:フォート・キシモト)
令和5年度JOCアスリートフォーラムを開催(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は3月13日、Japan Sport Olympic Square14階「岸清一メモリアルルーム」にて「令和5年度JOCアスリートフォーラム」を開催しました。本イベントは、JOCアスリート委員会が中心となってJOCや JOCアスリート委員会の役割を伝えるとともに、我が国のスポーツ界が抱える各種課題の解決策やオリンピアン講話等から様々な知見を得ることにより、 参加オリンピアンや国内競技団体(NF)のアスリート委員会の今後の活動を活性化させることを目的とし、オリンピアン研修会を発展させた形として、今回初めて開催されたものです。

開会の挨拶を行った松田丈志JOCアスリート委員長(写真:フォート・キシモト)
開会の挨拶を行った松田丈志JOCアスリート委員長(写真:フォート・キシモト)

 はじめに、主催者を代表して松田丈志JOCアスリート委員長が開会の挨拶に立ち「現役に近い世代の各NFのアスリート委員との連携をさらに強め、日本のスポーツを盛り上げていければという想いで、今回初めて開催させていただきました」と本イベントの目的を説明し、続けて「様々なプログラムを用意しておりますので、各NFのアスリート委員会の活動の参考にしていただければ幸いです。ぜひ積極的に意見交換をしていただき、皆さんの活動にとってプラスとなる時間になれば嬉しく思います」と参加者に呼びかけました。

「JOCの役割」について説明を行った尾縣貢JOC専務理事(写真:フォート・キシモト)
「JOCの役割」について説明を行った尾縣貢JOC専務理事(写真:フォート・キシモト)

 続いて尾縣貢JOC専務理事が登壇し「JOCの役割」というテーマで、JOCがどのような組織なのか、JOCの目指す姿や主な活動内容、オリンピック・ムーブメントにおける取組や強化費の流れなどについて説明しました。最後には「皆々にはTEAM JAPANの一員として、ぜひパリ2024大会を盛り上げていただきたいと思います。その盛り上がりが2026年の愛知・名古屋アジア大会にもつながると思いますので、ぜひ皆様のお力をお貸しください」とメッセージを送りました。

小谷実可子JOC常務理事、松田丈志JOCアスリート委員長、太田雄貴JOCアスリート委員、戸邉直人選手(陸上競技)が参加した「各アスリート委員会活動の実態」がテーマのパネルディスカッション(写真:フォート・キシモト)
小谷実可子JOC常務理事、松田丈志JOCアスリート委員長、太田雄貴JOCアスリート委員、戸邉直人選手(陸上競技)が参加した「各アスリート委員会活動の実態」がテーマのパネルディスカッション(写真:フォート・キシモト)
太田雄貴JOCアスリート委員、荒木絵里香JOCアスリート副委員長、井村雅代氏が参加した「【個々の声から共通の変革へ】~日本スポーツ界の新たな方向性~」がテーマのパネルディスカッション(写真:フォート・キシモト)
太田雄貴JOCアスリート委員、荒木絵里香JOCアスリート副委員長、井村雅代氏が参加した「【個々の声から共通の変革へ】~日本スポーツ界の新たな方向性~」がテーマのパネルディスカッション(写真:フォート・キシモト)

 続いてのプログラムでは、小谷実可子JOC常務理事がモデレーターを務め、松田JOCアスリート委員長、国際オリンピック委員会(IOC)アスリート委員でもある太田雄貴JOCアスリート委員、アジア・オリンピック評議会(OCA)アスリート委員でもある戸邉直人JOCアスリート委員が参加し、「各アスリート委員会活動の実態」をテーマにパネルディスカッションが行われました。太田JOCアスリート委員は「IOCアスリート委員会に入ることは日本にとって鬼門でした。自分は課題があると燃えるタイプなのですが、どういったアスリートが選挙に勝っているかを分析し、東京2020大会のときには朝の6時30分から選手村で選挙活動を行っていました」とIOCアスリート委員選挙に当選した際のエピソードを語り、現在のIOCにおける議題のトレンドや、気候変動問題の取組について、他国と比べると日本の対応が遅れている現状について説明しました。戸邉JOCアスリート委員はOCAアスリート委員に立候補した理由を「OCA関連では2026年に愛知・名古屋アジア大会があり、その後も国際的なスポーツイベントが日本で開催されていくかもしれない中で、色々な意見を発信することや、スポーツの価値を高めるための活動をしたいと思いました」と語り、愛知・名古屋アジア大会に向けた現在の取組や課題を紹介しました。最後に松田JOCアスリート委員長が「これからは各NFが自分たちの競技の魅力を理解して、そのファンを増やしていくことが大事になるかと思います。オリンピックは4年に1回開催されますが、そこだけ頑張るのではなく、日常的に各競技のファンを増やしていく活動ができれば、各競技が集まるオリンピックのタイミングで、今よりももっと大きな力を生むことができるのではないでしょうか」と呼びかけ、プログラムが締めくくられました。

羽根田卓也JOCアスリート副委員長、杉原愛子氏(体操競技)、高橋成美JOCアスリート委員、綾尾康嗣氏が参加した「【ソーシャルメディアとアスリート】~未来の扉を開くセルフブランディング~」がテーマのパネルディスカッション(写真:フォート・キシモト)
羽根田卓也JOCアスリート副委員長、杉原愛子氏(体操競技)、高橋成美JOCアスリート委員、綾尾康嗣氏が参加した「【ソーシャルメディアとアスリート】~未来の扉を開くセルフブランディング~」がテーマのパネルディスカッション(写真:フォート・キシモト)
大浦征也氏、松田丈志JOCアスリート委員長、柴真樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクター、吉田知那美選手(カーリング)が参加した「【アスリートのキャリア形成】~引退後も輝くために~」がテーマのパネルディスカッション(写真:フォート・キシモト)
大浦征也氏、松田丈志JOCアスリート委員長、柴真樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクター、吉田知那美選手(カーリング)が参加した「【アスリートのキャリア形成】~引退後も輝くために~」がテーマのパネルディスカッション(写真:フォート・キシモト)

 次のプログラムでは分科会として、3つのパネルディスカッションが行われました。
 1つ目は太田JOCアスリート委員がモデレーターを務め、荒木絵里香JOCアスリート副委員長、木村敬一選手(パラ競泳)、公益社団法人井村アーティスティックスイミング代表理事の井村雅代氏が参加し、「【個々の声から共通の変革へ】~日本スポーツ界の新たな方向性~」というテーマでパネルディスカッションが行われました。本プログラムでは井村氏が日本チームと中国チームの選手のマインドや行動の違いについて紹介したほか、荒木JOCアスリート副委員長や木村選手がそれぞれの目線からアスリートの価値について語りました。
 2つ目は「【ソーシャルメディアとアスリート】~未来の扉を開くセルフブランディング~」というテーマで、羽根田卓也JOCアスリート副委員長がモデレーターを務め、杉原愛子選手(体操競技)、高橋成美JOCアスリート委員、Facebook Japan合同会社グローバルパートナーシップス統括の綾尾康嗣氏がパネルディスカッションを実施しました。杉原選手や高橋JOCアスリート委員が自身のソーシャルメディアに関する取組やその上で意識していることなどを紹介し、アスリートやタレントのソーシャルメディア活動のサポートを行っている綾尾氏がその観点から、ソーシャルメディアの活用方法や注意すべきことについて説明しました。
 3つ目はパーソルキャリア株式会社執行役員の大浦征也氏がモデレーターを務め、松田JOCアスリート委員長、柴真樹 JOCキャリアアカデミー事業ディレクター、吉田知那美選手(カーリング)が参加し、「【アスリートのキャリア形成】~引退後も輝くために~」というテーマで、アスリートのキャリアに関するパネルディスカッションを行いました。本プログラムでは、現役アスリートである吉田選手は将来のキャリアに関する自身の考えを、松田JOCアスリート委員長は現役時代に自身が考えていたことを紹介したほか、柴JOCキャリアアカデミー事業ディレクターはJOCが行う就職支援「アスナビ」の現状やアスリートのキャリアサポート行う上での今後の課題について説明しました。

 分科会終了後、ヴァスコ・ダ・ガマ法律会計事務所の石渡進介氏が登壇し、3月に日本プロ野球選手会が発表した選手のプライバシー尊重を求める声明や、2023年10月に株式会社読売新聞グループ本社とLINEヤフー株式会社が共同で発表した声明など、インターネット記事によるプライバシー尊重の取り組みに関する事例紹介を行いました。

南壮一郎氏がモデレーターを努め、北島康介氏、野村忠宏氏、伊調馨氏が登壇した「オリンピックレジェンドアスリートトークセッション」(写真:フォート・キシモト)
南壮一郎氏がモデレーターを努め、北島康介氏、野村忠宏氏、伊調馨氏が登壇した「オリンピックレジェンドアスリートトークセッション」(写真:フォート・キシモト)

 最後のプログラムとして、ビジョナル株式会社代表取締役社長の南壮一郎氏がモデレーターを努め、北島康介氏(競泳)、野村忠宏氏(柔道)、伊調馨氏(レスリング)が登壇した「オリンピックレジェンドアスリートトークセッション」が行われました。複数の金メダルを獲得している3名のレジェンドアスリートのトークということもあり、登壇時には会場から大きな拍手が沸き上がりました。トークセッションでは、現在の過ごし方や、自身のNFとの関わり方等について紹介されました。現在、東京都水泳協会の会長を務めている北島氏は「ジュニアの育成や普及活動に力を入れているのですが、組織の改革を進めていくのはなかなか難しいものがあると感じています。NF等のトップ団体が改善したものをモデルとして、都道府県や地域、学校が追随する形で改善していけたらと思います。そして、アスリートは、スポーツと社会の親和性をさらに高めることができるのではないかと期待しています」と、参加者への期待を述べました。野村氏は「私は40歳まで現役を続けたので、引退した頃には自分より若い選手がNFで頑張っていました。NFの中でもJOCの中でも次世代の人たちにのびのびとやってほしいなと思います」とNFで活躍するアスリートたちへの想いを語りました。現在はコーチとして活躍する伊調氏は「私は現場が好きでマットの上にずっといたいと思っているので、NFにはあまり興味がありませんでした。一方で、現場が好きだからといってNFやその活動について関心を持たないというのは良くないことだと感じたので、そこは変わらなくてはならない部分だと思いました」と、他のアスリートの話を聞いて感じたことを語りました。最後に北島氏が「こんなに素晴らしいアスリートたちとお話ができて光栄でした」と、野村氏が「自分だけではできないことも仲間がいれば実現できるかもしれません。まずは自分の関わる競技から、そして日本のスポーツを強く、面白くしていっていただけたらと思います」と、伊調氏が「ずっとレスリングと向き合っていく気持ちは変わりませんので、その中で自分に何ができるだろうということを考える機会になりました」と感想を述べ、プログラムが締めくくられました。

閉会の挨拶を行った荒木絵里香JOCアスリート副委員長(写真:フォート・キシモト)
閉会の挨拶を行った荒木絵里香JOCアスリート副委員長(写真:フォート・キシモト)

 すべてのプログラムが終了し、閉会の挨拶として荒木JOCアスリート副委員長が登壇者とパネリストへ感謝を述べた後、「現在NFのアスリート委員会でご活躍されている皆さんやこれからスポーツ界を担っていく方との情報共有や関係性を強めていくということを目的に、今回のアスリートフォーラムを企画しました。今回のフォーラムで得た学びや発見によって、皆さんの活動がより良くなることを期待します。今年はパリ2024大会があります。皆さん一丸となって、競技の垣根を越えて、スポーツの魅力や素晴らしさを一緒に伝えて盛り上げていきましょう」と総括し、アスリートフォーラムを締めくくりました。

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