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2024.08.29 オリンピック

【メダリスト会見】フェンシング競技男子エペ団体「日本の強さを証明できた銀メダル」

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メダリスト会見で記念撮影する右から山田選手、加納選手、見延選手、古俣選手(写真:アフロスポーツ)

 パリ2024大会のフェンシング競技男子団体エペで銀メダルを獲得した山田選手、加納選手、見延選手、古俣選手が8月3日、記者会見を行い、競技終了から一夜明けての心境を語りました。

 会見の冒頭、選手の前に置かれた輪島塗のタンブラーの紹介がありました。石川県輪島漆器商工業組合よりご協力いただき、今年1月1日の能登半島地震をパリで戦っているメダリストも忘れず、被災された方々も一緒に頑張ろうというメッセージが発信できたらという思いで用意されました。


■加納選手「男子エペの実力が上がっているというのは確実」
――一夜明けた感想をお願いします。

山田選手 銀メダリストとして一夜明けたという感覚はありません。というのも昨日帰ってきて布団に入ったのが2時ぐらいで、朝起きたのが4時半だったので全然寝られていません。自分が寝たことにも気づかず2時間が経ち、そのまま起きたような感じでした。朝からしっかりとご飯を食べて良い朝を迎えることができたのですが、昨日の試合の最後のあの瞬間の悔しさや、今大会を通して来て良かった、来られて良かった、楽しかったなという気持ちがずっと自分の中でぐるぐるしていて、それが寝られなかった理由になります。今日からはしっかりと寝られると思います。

加納選手 一夜明けても僕の中では最後に一本勝負を獲ることができなかった悔しさというのは残っています。ただ決勝まで行けたというのは嬉しいところでもあります。たくさん苦しい試合がありましたが、チームで乗り越えることができましたし、何より終わってみたら楽しい試合だったというのが今の感想です。

見延選手 今回も金メダルだけを目指して臨んだ大会だったので、やはり悔しさというのがすごく大きく残っておりますが、僕以外のこの3人も非常によく頑張ってくれまして、最後まで戦う諦めない姿勢を見せてくれたので、悔しいですが良い試合ができたなと思っております。前大会に引き続きメダルを獲得することができ、日本のみならず世界中にこの日本の強さというのをしっかりと証明することができたと思っていますし、歴史を刻むからこそ本物になれると思っています。今回のこの結果は悔しさも残っているので、また次回に繋げていきたいと思います。

古俣選手 一夜明けての感想ということなのですが、昨日の夜から今日にかけてたくさんの人からお祝いのメッセージをいただきまして、そういった方々にこのメダルという形を持ったものを日本に持ち帰り、直接ご報告できることをとても嬉しく思っています。

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入場する選手たち(写真:松尾/アフロスポーツ)

――今大会のメダルの意味というものを教えてください。

山田選手 前回は金メダルを獲得しましたが、開催国枠での出場だったのでラッキーで出場してその結果が金メダルで嬉しかったという感じでしたが、今大会のようにしっかり出場権から自力で獲得してというのは男子エペでは初めてでした。そのような中でしっかりとメダル獲得までする日本の強さを証明できた銀メダルだと思うので、本当に嬉しく思います。

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山田優選手(写真:松尾/アフロスポーツ)

加納選手 東京2020オリンピックのときに僕たちは挑戦者として挑んだ結果、金メダルを獲得することができました。今回は自分たちでオリンピックの出場枠を獲得して、世界ランキング3位として臨み、結果銀メダルを獲得しました。もちろん金メダルを狙っていましたが、実力が十分に発揮することはできたのではないかと思うので、その辺でやはり僕たち男子エペの実力が上がっているというのは確実だと思います

見延選手 先ほど山田選手の方からもあったように今回自力で出場権を獲得したということと、試合内容を振り返ってみましても、前回の東京2020オリンピックは大差を逆転してそれこそ運を味方につけて勝利をもぎ取るような試合が多かったかなと思うのですが、今回はしっかりそういった展開ではなく試合の流れも作りつつ、自分たちのスタイルを貫く形で結果を出すことができていたので、そういう面でも前回よりもさらに力をつけたチームになったのではないかと思いました。

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見延和靖選手(写真:松尾/アフロスポーツ)

古俣選手 自分は初めてのオリンピックでメダルを獲得することができて、オリンピックのメダルというのは小さい頃からずっと夢に見ていたものだったので、それにようやく手が届いたというのが、ちょっと信じられないと思うぐらい嬉しい気持ちでいっぱいです。


■見延選手「次の世代に引き継ぎできるような活動も果たしてきたい」
――見延選手にお伺いします。本場フランスで3つのメダルを獲得(女子サーブル団体を残していますが)した意味をお伝えください。

見延選手 僕はフェンシングに長く携わってきた競技者として、まず一部の人間しか出られないくらい出場することすら本当に限られた中で、出場するだけでもすごいと思われていましたが、今はそうではなくてどの選手も全員が全種目でメダルをしっかりと目標にして大会に臨めています。それは男子エペのみならず、日本のフェンシング全体のレベルが上がっているということだと思います。これまで協会の土壌を固めてくれた皆さんがいて、太田雄貴さんが初めて世界で勝つ姿を証明してくれ、そこに続くように自分たちも、フェンシングの中でも一番勝てないと言われてきたこのエペで勝てることを証明し続けてきた結果だと思っています。その辺が良い循環を生んで他の種目にも派生して良い結果を産んでいるところだと思うので、しっかりとこの良い勢いを止めずに、今ナショナルチーム自体がすごく強くなっていますが、本当の意味での日本の強さというのを強固なものにするためには、さらにその下の若い世代に今僕たちが持っている技術や考えを引き継いでいく必要があると思っています。今本当に日本のエペ、フルーレ、サーブル男女全てが非常にいい状態なので、しっかりこの次の世代に引き継ぎできるような活動も果たしてきたいと思います。


――日本に帰ってから食べたいもの、したいことがあれば教えてください。

山田選手 僕は昨日ラーメンを食べたいと言っていたのですが、普段はあまりラーメンを食べないんですね。どちらかというとつけ麺派でして、でも一番好きなのはうどんなので、もうあっちこっちで言っていますが、とりあえずうどんを食べたいと思います。

加納選手 僕は寿司と焼肉を帰ってから食べたいと思っています。それからこのメダル2つをいち早くお世話になった方々に直接見せに行きたいなと思っています。

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加納虹輝選手(写真:松尾/アフロスポーツ)

見延選手 僕は今回のパリ2024オリンピックに家族兄弟含めてかなりの人数が応援に来てくれて、実際に生でメダルを獲得する瞬間を見てもらえました。獲得した後にゆっくりと団らんする時間が持てず、もう既に飛行機に乗って日本に帰ってしまっているので、もう一度しっかり手に持ってお父さんお母さんにも見てもらいながら、この試合を振り返りながらゆっくりとした時間を過ごせたらと思います。

古俣選手 自分は海鮮が食べたいです。胃腸が弱くてちょっと生ものを我慢していたところがあるので、帰ったらいっぱい食べます。

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古俣聖選手(写真:松尾/アフロスポーツ)

――加納選手にお伺いします。2つのメダルを獲得して、どちらの方が喜びが大きかったか

加納選手 個人戦は応援してくださっている方々、コーチもたくさんいますが、やはりメダルを獲得した後に若干の孤独感はありました。その中で団体戦が控えていたので、団体戦では4人で支え合って試合をすることができますし、苦しい場面もたくさんありましたが、やはり4人で取った分、4人だけではなく他にもたくさんいますが、人数が多い分の嬉しさがその分だけ多いかなと感じます。


――オレクサンドルコーチは皆さんにとってどのような存在ですか?

山田選手 サーシャコーチ(ゴルバチュク・オレクサンドルコーチ)はですね、僕が最初にサーシャコーチに教わり始めたのが中学2年生のときだったのですが、本当に子供の頃からずっと見てもらっていて、しょっちゅう怒られて本当にお父さんのような、僕の家は母子家庭なので父親というものをあまり感じたことが無かったのですが、お父さんってこういう感じなのかなと、僕にとって本当に父親のような存在でした。

加納選手 特に僕は背が低い方なのですが、サーシャコーチはその身長に関係なく、僕に合った戦い方、戦術を教えてくれました。僕にエペの世界で戦う戦術というのをほぼ全て教えてくれたのが、サーシャコーチだと思っています。

見延選手 サーシャコーチは北京2008オリンピックのからの付き合いで、日本に来た当初からサーシャコーチのことはずっと知っていますが、本当に今の地位を築けたのも、まさしくサーシャコーチの指導力と考えがあったからだと思いますし、しっかりこの考えを若い世代にも繋いでいけたらなと思います。

古俣選手 自分がサーシャコーチから初めて指導を受けたのは高校生のときで、フェンシング理論について最初に感銘を受けたのがサーシャコーチの指導だったので、フェンシングの面白さを伝えてくれた存在です。

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記念撮影する選手たち(写真:松尾/アフロスポーツ)

――ここまで強くなった要因があれば教えてください。

山田選手 僕らは毎日一緒にナショナルトレーニングセンターで練習をさせていただいているのですが、365日強化合宿のような形で練習できていることは何よりの強みだと思います。その整えてもらった環境に感謝したいという思いがあります。男子エペの強みは絶対これだというのが一点ありまして、僕はもう皆のことを家族だと思っています。プライベートでも仲が良く、あちこち一緒に行き一緒にお酒を飲んでワイワイしてということをずっとやっている仲なので、そこに対する信頼がどこの種目よりも強いと思っており、それがこうやって結果に出ているなと感じます。

加納選手 フェンシングは対人競技なので、やはり強くなるためには強い選手と練習をする必要があると思っています。その中でナショナルトレーニングセンターというのは日本のトップ選手たちが集まり、そこでお互いを高め合っているので強くなっていけているのだと思います。さらにそこに、サーシャコーチという素晴らしいコーチがいるので、世界でトップレベルの環境で練習ができていると思っています。

見延選手 加納選手が言ったようにフェンシングは対人競技で強い選手とやらないとどうしても勝てないのですが、僕がフェンシングを始めた当初は日本中から強い選手が集まるような場所がありませんでした。今は世界に誇れる環境があると思っています。フェンシングは特殊な環境なので、そういった環境が用意されていることは正直、勝って当たり前のようにも思えます。当時のフェンシングを振り返ると、この環境があって勝てない方がおかしいというぐらいの環境を整えていただいているので、フランスのナショナルトレーニングセンターみたいなところにも行かせていただいたことがありますが、すごく立派ですが日本も劣らない、もしかしたら優れている部分もあるぐらいの練習環境、そしてコーチというのを用意していただけるのは、本当にありがたいですし、しっかりと結果に出ているのでいいことだと思います。

古俣選手 自分も練習環境、コーチが本当に世界でトップを獲れるような、そういう素晴らしいものがあったと思うので、今回オリンピックで金メダルを獲得することができ、そういった自分たちの強さを証明することができて良かったと思っています。

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