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2024.08.29 オリンピック

【メダリスト会見】バドミントン競技混合ダブルス「2人で成長できた3年間だった」

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メダル獲得の心境を語る右から東野選手、渡辺選手(写真:アフロスポーツ)

 パリ2024大会のバドミントン競技混合ダブルスで銅メダルを獲得した東野有紗選手、渡辺勇大選手が8月3日、記者会見を行い、競技終了から一夜明けての心境を語りました。

 会見の冒頭、選手の前に置かれた輪島塗のタンブラーの紹介がありました。石川県輪島漆器商工業組合よりご協力いただき、今年1月1日の能登半島地震をパリで戦っているメダリストも忘れず、被災された方々も一緒に頑張ろうというメッセージが発信できたらという思いで用意されました。


■東野選手「2人で苦しい時期を乗り越えてきて、2回目の銅メダルを獲得できた」
――一夜明けた感想をお願いします。

東野選手 東京2020オリンピック同様3位決定戦に臨むことになり、金メダルを獲得するためにここまでやってきたので悔しい気持ちでいっぱいなのですが、メダルを獲得するかしないかでは全然違うと思うので、2人で切り替えようという話をして3位決定戦に臨み、メダルを獲得することができて本当に嬉しいです。パートナーの勇大くんとは13年間組んできたのですが、2回もオリンピックでメダルを獲れるなんて全く思っていなかったので、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に嬉しかったです。

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東野有紗選手(写真:ロイター/アフロ)

渡辺選手 東野選手同様金メダル獲得を目指しましたが、2度目の3位決定戦に臨むことになり、中々そのような経験はできないなと思っていた中で、うまく自分の中では準決勝を負けてから切り替えることができ、先輩(東野選手)とも切り替えてもう一回やり切ろうという話をできてコートに立つことができました。3位決定戦で勝った瞬間はやはり嬉しく、金メダル獲得を目指していた中でしたが、銅メダルを持ち帰れるということを非常に嬉しく思っています。応援ありがとうございました。

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渡辺勇大選手(写真:エンリコ/アフロスポーツ)

――3年前と同じ銅メダルという結果ですが、3年前と異なる心境などありますか?

東野選手 3年前に表彰台に上がって悔しい思いをして、絶対にパリ2024オリンピックで金メダルを獲得するという気持ちでこの3年間やってきましたが、やはりそんなに上手くいくことばかりではありませんでした。バドミントン競技というのは大会数が年間を通して非常に多く、モチベーションが下がってしまう時期もありましたが、2人で苦しい時期を乗り越えてきて今回のパリ2024オリンピックに臨みました。金メダルを獲得する以外は考えていませんでしたが、銅メダルをまた獲得できて嬉しいですし、2人で成長できた3年間だったと思っています。

渡辺選手 東京2020オリンピックが終わってからの3年間は、非常に難しい3年間でした。先輩が言ってくれたように、モチベーションの維持や大会数が多い中で勝ち続けなければいけないということの難しさを実感した3年間でした。ただそれでも2人でたくさん話し合ってコミュニケーションをとり、やはりバドミントンを楽しもうとずっとやってきましたし、どんな苦しい状況であっても2人でどうやって勝ちに繋げるかということを貪欲に考えてきた3年間だったので、東京2020オリンピックと同じような結果にはなりましたけれども、また違った感情の嬉しさが込み上げてきました。

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東野選手(右)、渡辺選手(左)(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

――ペアを組んで13年とのお話もありましたが、改めてお互いへの思いがあれば教えてください。

東野選手 勇大君(渡辺選手)は一個下で後輩なのですが、全然後輩に見えなくて私よりも上だと感じるぐらいに頼れる後輩です。いつもバドミントンの面でも頼りになっていて、本当にこの13年間、解散したいと思ったこともなくここまでやってこられたのは勇大君のおかげだと思いますし、また銅メダルを2回獲得できて、本当に勇大君とここまでやってこられてよかったと思っているので、感謝の気持ちでいっぱいです。

渡辺選手 言葉をそのままお返しするようなのですが、感謝しかありません。やはりバドミントン競技は試合数が多い中で、勝ち続けることの難しさというのは周りの選手なら全員が知っているとは思いますが、東京2020オリンピックの前からそうですが、勝ち続けるというところに自分たちは一番の目標を置いており、一発屋ではなくて二発屋や三発屋、もっと勝ち続けるというところに自分たちの重きを置いてきました。それがうまくいって、もちろん苦しいときも結果が出ないときもたくさんありましたが、それでも勝った喜びや優勝した嬉しさというのを噛みしめるためにここまでやってきました。銅メダルを獲得できたのは先輩が一緒にやってくれたからですし、今大会は特にずっと僕が焦っていてミスも多く、そのような中で「大丈夫だよ。焦らなくていいよ」と本当に毎試合毎試合、毎ラリーごとに声をかけ続けてくれました。もう本当に感謝しかないです。

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13年間の思いが溢れる(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

――パリ2024オリンピックはどのようなオリンピックでしたか?

東野選手 前回は無観客で、自分自身にプレッシャーを与えてしまったりしていたのですが、今回はお互いの両親や会社の方々など、たくさんのファンの方々がすごく応援してくれて、どんなにつらい場面でも励みになり、それが力になって獲得できた銅メダルでした。有観客でプレーするのが自分たちは大好きで、このたくさんの方々の応援が力になって銅メダルを獲得でき、非常に嬉しい気持ちです。

渡辺選手 声援っていいなと思いました。もちろん現地で応援してくださるフランスのファンの方や日本から足を運んで現地に入って応援してくださった方、僕らの試合は夜遅い時間帯ばかりでしたが時差がある中で夜中とか朝方とかに日本からテレビやネットの前で応援してくださった方々の力が、僕らの背中を押してくれたと思っています。

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ハイタッチするわたがしペア(写真:ロイター/アフロ)

――日本に帰ってやりたいこと、食べたいものがあれば教えてください。

東野選手 私は食べることがすごく大好きなので、お寿司も食べたいし、焼肉も食べたいし、ラーメンも食べたいし、たくさん食べたいものはあるのですが、一番はここ数日全然寝られていないので、自分のベッドに帰ってすぐに思いっきり寝たいです。

渡辺選手 一緒ですね。僕はインドアなので何もしない1日が欲しくて、それでもバドミントンのためなら何だってしようと思っていますし、バドミントン競技全体が盛り上がってくれるためなら寝る間を惜しんで何でもしたいなという気持ちですが、一旦アラームなしで寝たいですね。今日もアラームをかけてしっかり起きました。


――難しい時期を乗り越える中で、お互いに(言葉を)伝えることができた具体的な瞬間などあれば教えてください。

東野選手 私は昨年、レースの後半のときにモチベーションがダウンしてしまい、それをなかなか勇大君に言い出すことができず、弱みを見せることができなくて、伝えられないことにものすごく苦しんだ時期がありました。やっと3ヶ月後ぐらいに伝えることができ、もっと早く言えたらよかったなという後悔もあるのですが、それを受け止めてくれて、そこから自分自身も成長でき、お互いにとっても成長できた時期だったと思っています。

渡辺選手 先輩がそのようなお話をしてきてくれた1年前ぐらいに、僕のモチベーションが上がらないという話を先輩にさせていただきました。僕が先に言ってしまったために先輩が同じ状況になったときに言いづらかったのではないかと思っており、申し訳なかったと感じています。実際、弱みを見せるということが僕らにとって最終的にプラスに働いてくれたと思っていますし、ゲーム中も今自分ができないことや今日うまくいかないことなど、2人で勝つためにお互いに弱みを見せて、弱みがある中でどうやって相手に立ち向かっていくか、完璧ではない中でどうやって勝ちに繋げていくかというところが、弱みを見せるという部分に繋がっているのかなと思っています。


――弱みを言えたタイミングはいつでしたか?

東野選手 12月にワールドツアーファイナルがあったのですが、直接言うときっと泣いて伝えられないからと、LINEで伝えました。同じくコーチにもLINEで伝えましたが、勇大君からは「全然休んでいいよ」と返信があって、レース期間だったのに優しい言葉をかけてくれました。


――表彰式の後に中国のペアが公開プロポーズをしたことが世界的に話題になっていますが、どのようにご覧になっていましたか?

東野選手 お2人がずっと付き合っていたのを知っていたので、プロポーズされていた瞬間は2人でびっくりして見ていました。後から中国ペア、中国の女性の選手とプロポーズされた選手に2人でおめでとうと言いました。

渡辺選手 そのプロポーズされた女性のパートナーの選手もプロポーズのことを知らなかったらしく、「俺も知らないよ」と言っていて、「いやすごいタイミングだよね」と2人で話をしていました。本当におめでたいことですし、めちゃくちゃでかい指輪だったなと思いました。本当にやばいんじゃないかなっていうぐらい、それぐらい形がしっかりしていて、見せてもらったのですがめちゃくちゃ綺麗でした。めちゃくちゃ輝いていました。


――試合が終わった後、お母様とお話ししてどのような思い、感情がありましたか?

東野選手 まず準決勝、負けた日にお母さんと唯一電話したのですが、負けて悔しい気持ちでいっぱいで泣きながら電話をして、「やっぱり2人が楽しんでいる姿を見られればいいから、楽しんでやって欲しい」というふうに言ってもらえて、3位決定戦後に会ったときもとても泣いてくれて喜んでくれましたし、金メダル取れなくて本当にごめんという気持ちでいっぱいでしたが、お母さんは非常に喜んでくれたので、自分自身後悔はないかなと思っています。

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