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2024.08.29 オリンピック

【メダリスト会見】体操競技男子団体「全てがかみ合ったからこそ獲得できた金メダル」

メダル獲得の心境を語る右から杉野選手、橋本選手、萱選手、岡選手、谷川選手(写真:アフロスポーツ)
メダル獲得の心境を語る右から杉野選手、橋本選手、萱選手、岡選手、谷川選手(写真:アフロスポーツ)

 パリ2024大会の体操競技男子団体で金メダルを獲得した杉野正尭選手、橋本大輝選手、萱和磨選手、岡慎之助選手、谷川航選手が7月30日、記者会見を行い、競技終了から一夜明けての心境を語りました。(岡慎之助選手は個人総合でも金メダル獲得)

 会見の冒頭、選手の前に置かれた輪島塗のタンブラーの紹介がありました。石川県輪島漆器商工業組合よりご協力いただき、今年1月1日の能登半島地震をパリで戦っているメダリストも忘れず、被災された方々も一緒に頑張ろうというメッセージが発信できたらという思いで用意されました。


■萱選手「一歩踏み出して、もう一歩踏ん張ったら何か新しい景色が見える」
――金メダルを獲得した思いをお聞かせください。

杉野選手 体操競技日本代表の杉野です。銀メダルを獲得してしばらく時間が経ちましたけれども、5人全員で最後まで金メダルというものに向かって進んだことがこの結果になったと思います。皆さんの応援のおかげでこの最高の舞台、そして表彰台の一番高いところに立つことができたと思っているので、そういった皆さんの思いを込めながら演技をした経験をできたことが私自身すごく幸せでしたし、体操競技は素晴らしいなというのを改めて感じた舞台となりました。本当に最高の1日でした。

杉野正尭選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
杉野正尭選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

橋本選手 18演技、皆が心で演技を繋ぎ、最後の鉄棒が終わった後に皆の笑顔を見て、そして電光掲示板を見て、表彰台の一番上に上がって皆で笑い合えたあの景色というのは、今後も忘れることはないです。皆で体操日本一丸となって目標としていた団体総合金メダルを獲得できて、本当に良かったと思っています。

萱選手 小さい頃からずっと目標にしていたオリンピックで金メダル獲得という夢を叶えて、少しずつ実感が湧いてきたかなと思います。こうして獲得できたのもまずチームのこの4人、そしてスタッフ陣、応援してくれる方々の全てが噛み合ったからこそ獲得できた金メダルだと思っています。まだこちらに少し滞在しますが、日本に帰ったら感謝の言葉を伝えたいと思います。

萱和磨選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
萱和磨選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

岡選手 まずは目標にしていた金メダルを獲得できてすごく嬉しいですし、団体に関しては本当に皆で繋いで最後まで諦めず演技できたことが非常に良かったと思います。個人総合も、この舞台に立てなかった選手の分まで演技をして、何より楽しむことと、これまで関わってくれた方に感謝を伝えるではないですが演技で返すという思いで演技できたのが本当に良かったと思います。

谷川選手 東京2020オリンピックは銀メダルが悔しくて、今回やっと金メダルを獲得できて本当に獲れたなという思いと、諦めないで続けてきて良かったと思っています。これによって体操を応援してくれる人がもっと増えたらいいなと思いますし、体操を始めてくれる子供たちが増えたらいいなと思っています。やはり日本の体操の試合ではまだお客さんが満員ではないときがあるので、ぜひテレビの前だけではなく、会場に来てもらって生で観戦してもらえたら嬉しいなと思うので、体操がもっと皆に応援してもっともっと応援してもらえるように、今後もまた頑張っていきたいと思っています。

谷川航選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
谷川航選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

――金メダルを獲得したなと実感が湧いた瞬間、また周りの方からどんな反響があったのか教えてください。

杉野選手 金メダル獲得した実感は100%あるわけではなく、まだ夢の中にいるような感覚も少しあるのですが、やはり時間が経ち金メダルを毎日見るうちに、金メダルを獲得したのだなという実感が持てるようになりました。本当にたくさんの方々からおめでとう、感動したという言葉もいただきましたし、そういった言葉を僕自身が聞けたことがすごく嬉しかったです。体操を通じてそういった思いを届けられたのは、競技者としてもすごく良かったと思っています。

橋本選手 やはり団体金メダルがずっと欲しくて、東京2020オリンピックの後からも団体の金メダルを目指すようになりました。メダルを獲得できて首にかけてもらったときは、やっと取れたという実感ができましたし、その直後が一番獲得できたという実感がありました。周囲の反響はありがとうとか、かっこよかったよとか、そういう一言が嬉しいと思いましたし、また自分の体操に自信を持てるようになったと思えました。今は時代が進んで、SNSで皆さんからメッセージが選手に届くというところが非常に嬉しくて、皆さんのおかげでまた元気になれました。また皆さんの前で演技ができることが、自分も次の目標に向けての原動力にもなっているので、様々な方からコメントをいただいて非常に嬉しかったです。

橋本大輝選手(写真:ロイター/アフロ)
橋本大輝選手(写真:ロイター/アフロ)

萱選手 試合中はすごく冷静でというか本当にいつも通りの自分が出ていて、演技中も特に変わりなく冷静でいられたのですが、やはり電光掲示板を見て日本の金メダルが確定したときは本当に感情がぐちゃぐちゃになったというか、こんな自分がいるのかということを改めて知れました。その日は本当に嬉しかったですし、全く寝付けなくて6時ぐらいまで寝られなくて、寝てしまったらこれが夢で次に起きたときが現実で、実はその団体決勝の当日が夢なのではないかと思ってしまうぐらい、どこか変な感じがありました。しっかりと寝たことで少しずつ噛み締められてきているので、周りの方からもすごく連絡も来ましたし、SNSでも本当にたくさんの方からおめでとうと祝福のメッセージが来て、やはりオリンピックはすごいなということを、出場2回目ですが改めて痛感しました。応援してくれる人が非常に多く、それだけ注目度のある大会なので、そこで成し遂げられたことは本当によかったと思います。

岡選手 非常に多くのコメントが来ていて、すごく実感が湧いています。初めてのオリンピックで、チーム全員で取れたことも嬉しいですし、この嬉しさをしっかりと噛み締めて次に向けて頑張りたいと思います。

岡慎之助選手(写真:AP/アフロ)
岡慎之助選手(写真:AP/アフロ)

谷川選手 僕も最初は信じられないというか、「マジか」という風に思っていました。ベッドの横の机のような台に金メダルを置いていたのですが、次の日に起きたときにそれを見て、本当に獲得することができたと感じ、そこで実感ができたのかなと思います。反響はSNSのコメントとかでも、チームで最後まで諦めないで戦っている姿に感動してくれたというコメントがたくさんありました。少しでも諦めない気持ちを皆に伝えられたことが非常に嬉しく思いますし、今後もそう思ってもらえるように頑張りたいと思います。


――このチームの好きなところを教えてください。

杉野選手 本当に仲が良いというところが僕は大好きだなと思います。しかし、その中でもきちんと本音でぶつかり合えるとか、言わないといけないことや伝えなければいけないことを各選手が先輩・後輩関係なく伝えていけるという、その空気感が作れていることがこのチームの非常に良いところです。話し出しだしたら収まらないぐらい、もう本当に全部、皆さん大好きです。

橋本選手 杉野選手が大半のことを言ってしまったのですが、試合中になったら頼もしくて、最後まで諦めないところや、皆が今まで感じてきたチームワークの良さというのを超えて諦めなかったところが、一致団結できたところだと思っています。僕はいろいろ迷惑をかけたり、ミスをしてしまったりなどありましたが、皆のおかげで最後まで演技することができましたし、皆がいたから堂々と演技することができました。本当に大好きなチームで、信頼もできますし、粘り強いです。体操の実力だけではなく、人間としても素晴らしい他の4人が集まっているなと思います。

萱選手 僕もこのチームが大好きですし、このチームだったからこそ勝てたと本当に思っています。何より挙げるとしたら、大きく分けたら僕は2つかなと思います。まず、情熱があるというか熱いというか、全員が本当に金メダルを獲得するという目標に向かって気持ちが一つになっていて、それが共通の最優先事項として掲げていて、それに向けて進んでいけたことが非常に良かったです。あとは熱いだけではなく、建設的にオーダーをどうしようか、これだと次の日がきついから順番を入れ替えようなど、合宿では練習メニューをこうしようなど練習メニューに関してもすごく意見を出し合ってやれたこと、熱さと準備の両方があったからこそ土壇場で力が出せて、最後まで諦めずにできたのかなと思います。

岡選手 お兄ちゃんたちがいっぱいいるので、僕はすごく良くしてもらっているかなと思っています。本当に1人1人が熱い熱いですし、だからこそチーム一丸となって金メダルという目標に向かい、突き進めたのかなと思っています。大好きです。

谷川選手 皆と一緒で、熱いチームだと思うので、その気持ちが最後まで諦めないというところに繋がったのかなと思いますし、本当にパッションがすごいので、その気合で金を獲得したなと思います。

メダルを獲得し記念撮影する選手たち(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
メダルを獲得し記念撮影する選手たち(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

――個人総合の二冠、お兄ちゃんたちにどのように支えてもらったのかというものがあれば教えてください。

岡選手 まずは団体のときも和磨さんから「絶対諦めるな」という言葉を、個人決勝では大輝くんから「胸を張って自信持って行けよ」と、すごく震えるような言葉をもらって一つ自信になりましたし、本当に楽しく試合ができたなと思っています。


――団体が終わった後にチームでお祝いをしましたか?

萱選手 お祝いはまだできていません。個人総合の2人の試合があったということもあるのですが、金メダルを獲得したはずなのにいつも通り暇なときには5人でゲームをするなど変わらずに日常を過ごしており、ふと変な感じがするなという時がありますが、日本に帰ってお祝いをしたいと思っています。


――個人総合の試合中に、他の選手のことを意識しましたか?

岡選手 試合中はそこまで意識はしていませんでした。試合が始まる前や前日には勝ちたいという気持ちが非常にありました。しかし、演技前になったら自分のことに集中してポイントを絞ってやれていたので、それが良かったのかなと思っています。


――一歩踏み出したこのチームの思いと、これから体操を始める子供たちへメッセージをお願いします。

萱選手 『一歩、踏み出す勇気を。』というスローガンをTEAM JAPANが掲げています。今回、中国と非常に接戦で、最初の床ではリードしていましたがそこから最後まで交互にずっと苦しい展開が続いていました。僕も演技中にどこかで心が折れそうになり、また銀メダルかなという思いに一瞬なりましたが、数秒後には嫌でも絶対諦めない、絶対に何が起こるかわからないというふうに切り替えることができました。自分のできる演技をして、そしてチームの他の4人を信じて、最後の鉄棒で無事に逆転の金メダルを獲得できたので、子供たちや大人も方もそうだと思いますが、何かやっていることがあったり、もういいかなとか諦めそうになっている人もいるのかもしれないですが、一歩踏み出して、もう一歩踏ん張ったら何か新しい景色が見えると思います。僕たち5人は踏み出したことで金メダルという景色を見ることができたので、そういったメッセージがオリンピックを通して伝えられたらいいなと思うので、ぜひ頑張ってほしいなと思います。

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