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2024.11.18 オリンピック

【メダリスト会見】セーリング競技混合2人乗りディンギー(470級)岡田奎樹選手「セーリングを通じてどこまでも行くことができる」

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メダル獲得の心境を語る右から岡田奎樹選手、吉岡美帆選手(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 パリ2024大会のセーリング競技混合2人乗りディンギー(470級)で銀メダルを獲得した岡田奎樹選手、吉岡美帆選手が8月10日、記者会見を行い、競技終了から一夜明けての心境を語りました。

 会見の冒頭、選手の前に置かれた輪島塗のタンブラーの紹介がありました。石川県輪島漆器商工業協同組合よりご協力いただき、今年1月1日の能登半島地震をパリで戦っているメダリストも忘れず、被災された方々も一緒に頑張ろうというメッセージが発信できたらという思いで用意されました。


■吉岡選手「日本のセーリング界が発展するようにセーリング界に関わり続けていきたい」
――一夜明けた感想をお願いします。

岡田選手 フィニッシュした瞬間嬉しかったですし感情が爆発しました。その後メダルをかけてもらい、多くの人から祝福のメッセージをいただいてさらに喜びが込み上げてきています。

吉岡選手 私はメダルレースをフィニッシュした後はなかなか実感が湧かなくて、岡田選手のように爆発的な喜びを表すことはできなかったのですが、メダルをかけてもらって重みを感じて実感をすることができました。3度目のオリンピックの挑戦で今までの努力は報われたのだなと思って、とても幸せを感じています。

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岡田(右)・吉岡ペア(左)(写真:ロイター/アフロ)

――メダルを獲得してからお祝いなどはされましたか?

岡田選手 メダルを獲得した後は両親が現地に来てくれていたので報告をして、「今までありがとう」という言葉と上司からは「よくやったね」と言ってもらえました。その後、チームで祝勝会みたいな感じでちょっとパーティーをしました。その次の日の朝一にはこちらに来なければならなかったので、こちらに来てメディアの撮影をさせていただきまして今日に至ります。

吉岡選手 私の家族は現地には来ていなかったのですが、終わったときにビデオ通話で話をして、皆がすごく祝福してくれてとても嬉しかったです。


――呼吸を合わせることが大切な競技だと思いますが、呼吸を合わせるうえで心がけていることはありますか?

岡田選手 セーリング競技において、コミュニケーションで嘘をつかない、隠し事をしないというのが非常に大切というふうに思っていて、それを心がけていました。

吉岡選手 岡田選手が言った通りで、最初は少し見栄を張って小さな嘘をついたりごまかしたりしてしまうこともありましたが、包み隠さずに「これってどういうこと?」というふうに聞いたり、分からないことははっきりと「分からない」というふうに言いコミュニケーションを高めてきました。

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競技中の岡田(右)・吉岡ペア(左)(写真:ロイター/アフロ)


――競技の中で自然との向き合い方、考え方を教えてください。

岡田選手 自分たちも自然の一部ですので、よりその感覚になるといいますか自分もその一部だと思いより敏感になるというところです。一般的な生活ですと、人間とのコミュニケーションで相手の感情を読み取るような敏感さがあると思うのですが、自然の動きを読み取らなきゃいけないのかなと思っています。

吉岡選手 自然を相手にするので風が吹かなかったりしてレースが行われなかったりもしますが、その期間もずっと気持ちを保ち続けるということを心がけていました。


――(吉岡選手への質問)レースの中断や中止もありましたが、影響はありましたか?

吉岡選手 丸一日メダルレースが延期になって次の日になったのですが、緊張をずっと保ち続けるのがすごく大変で、内心では今日やってこの緊張から解放されたいという気持ちはありました。結果的には次の日まで気持ちを保ち続けていい形で終われたので良かったです。


――(岡田選手への質問)スキッパーとしてレース中に何度も決断を行うと思いますが、決断力を養うために大事にしていることは?

岡田選手 勇気を持つことと自信を持つことが大切だと思っていて、失敗は誰にでもあるのでその失敗を引きずらないことで次を考えること、未来を考えることというのを心がけています。


――改めてセーリングの魅力・楽しさを教えてください。

岡田選手 ロマンが詰まっているのかなというふうに思います。セーリングは大自然の中でやりますが、海の上から街を見るとすごく小さくて、今まで地図でしか見ないような地形とかも外から見るとわかります。私は相模湾でセーリングをしているのですが、春の季節になると桜が咲いてとても綺麗に見えますし、秋の季節になると紅葉がすごく綺麗に見えます。冬は寒いので肌がすごく痛いなと思いながらセーリングをして、夏は暑いですけど海水浴をすれば涼しいです。日本の特有の四季というのを十分に感じながらセーリングができる、そして行こうと思えばどこまでも行くことができる。日本は陸にいる限り日本にしか行けないですけれども、セーリングを通じたらどこまでも行くことができるので、そこに夢があるのかなというふうに思います。

吉岡選手 セーリングというスポーツは自然を相手にして風だけを利用してヨットを走らせるのですが、風が強いときにはスピード感があって滑走していく姿が見られて、風が弱いと逆にスピード感はないのですが、風の違いによってスピード感も変わり、駆け引きの仕方も変わっていくという、そういう素晴らしさがあると思います。

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メダルを決め喜ぶ岡田・吉岡ペア(写真:ロイター/アフロ)


――(岡田選手への質問)メダルレースでスタートから上位陣と異なる進路をとりましたが、その決断に至った背景を教えてください。

岡田選手 元々予選シリーズから風の傾向をつかむのはすごく優れている、世界トップクラスで成績も良かったという自分の自信と結果もありました。一方で点数を意識した相手との接近戦を仕掛けると、自分たちの順位を落としてしまうところがあったので、その傾向からメダルレースでも自分のレースをちゃんとやってベストを尽くすことがいい順位で回航することの条件だというふうに考えて、自信と勇気を持って自分のコースを選択するというところをメダルレースでやりました。


――当時の風読みは直感的なものだったのか?確信をもって選ばれたのか?

岡田選手 風の特性を言い出すとこの時間では言い切れないぐらいすごく細かいところも出てくるのですが、過去のデータとかそれから自分の見た目で左海面の方が良いというような判断ですね。


――(吉岡選手への質問)ご両親からはどのような言葉をかけられましたか?

吉岡選手 父親は毎日LINEを送ってくれて、解説者のようにいつもLINEをしてくれていたのですが、なかなか電話で話す機会がない父親の方から珍しく電話をくれて、「おめでとう」という声をかけてくれて、「今までの努力が実ったんだね」というふうに声をかけてくれたので、それが嬉しかったですね。


――どのように答えましたか?

吉岡選手 最初は金を目指していて銀色になってしまったけど、これで一つ恩返しができたね、と伝えました。


――学生選手にエールを送るとしたら?

吉岡選手 私自身ヨットを始めたのが高校からなのですが、決して早く始めたわけではなく、そこから努力をし続けて目標を常に持ち続けてここまできたので、常に目標を持って努力し続ければ夢は叶うよというふうに伝えたいです。


――緊張から解放され一刻も早くヨットに乗りたいのか、それとも少し休みたいか?

岡田選手 自分は明日にでもヨットに乗りたいです。セーリングで競技としてもやっていますが、娯楽という意味での趣味でヨットに乗っているのでヨットに乗りたいです。

吉岡選手 私はちょっと期間を空けて、次に乗るまでにはゆっくりしたいなと思っています。

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表彰式での岡田・吉岡ペア(写真:ロイター/アフロ)


――今後の目標は?

岡田選手 銀メダルを獲得して嬉しかったですし、努力が実ったと吉岡さんも先ほどおっしゃられていて自分もそのように思うのですが、やはり金色のメダルをかけている人を見るといいな、羨ましいなと思いました。4年後チャンスがあるのならば、金メダルを目指してもう1回やりたいなと思っています。

吉岡選手 私は今後どのようにしていくか決めていないのですが、今回私たちが銀メダルを獲得したことでヨットの素晴らしさも知ってもらえたと思うので、さらに日本のセーリング界が発展するようにセーリング界に関わり続けていきたいと思います。

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