長野1998
採れたて長野通信
日本選手が連日の金メダル獲得で、オリンピックの興奮は日を追うごとに高まっています。もし、このオリンピックがヨーロッパなどで開催されていたら、競技の生中継が深夜になって、日本中が睡眠不足になってしまいますよね。どの会場での日本選手団への声援はボルテージが高く、選手たちもモチベーションをかきたてられていることと思います。国内で開催されるオリンピック。本当にすばらしいことだと実感します。さて今日は、エムウェーブで行われたスピードスケート男子1500mで、野明弘幸選手が日本新記録をマーク。その後の走者に世界新記録が続出したため、結果は7位に終わったものの、元世界記録保持者の意地を見せてくれました。さらに男子アイスホッケーの日本対オーストリア戦は、サドンデスのペナルティーショット戦の末、日本チームが22年ぶりのオリンピックでの勝利を獲得!
日本選手たちのがんばりに、ますます大きな声援を送りましょう。
現地直送!観戦レポート スノーボード・ハーフパイプ(かんばやしスノーボードパーク)
今日の長野は雨でした
NAGANOから初めてオリンピックの正式種目として採用されたスノーボード競技。今日は、1月に行われたワールドカップで日本人選手として初優勝を果たした吉川由里選手を始め、男女5人の選手が出場するハーフパイプを観戦してきました。あいにく今日の長野地方は朝から雨が降り続く最悪のコンディション。それでも、会場は日本選手の好成績を期待する観衆で超満員。にぎやかな応援の声が響いていました。
選手の演技は迫力満点!
ここ数年、日本でも人気急上昇のスノーボード。ただ滑るだけならスキーより上達は速いといわれます。でも、生で見る選手たちの演技は「何を食べたらそんなことができるの?」と聞いてみたくなるほどダイナミック。
ハーフパイプというのは、斜面にパイプを半分にしたような溝が作られたコースをジグザグにジャンプしながら滑り降り、ジャンプの技のテクニックや完成度を競います。テレビなどの映像ではジャンプする選手がアップになることが多いので、パイプ全体のスケールはわかりにくいのですが、生で見ると意外に大きく感じます。取材班はコースのすぐそばで観戦したのですが、パイプの底は深すぎて見えませんでした。競技が始まると、突然目の前に選手が回転しながら飛び出してくるのです。しかも、ジャンプの高さは取材班の頭のはるかに上まで達します。
繰り出す技の難度や完成度を競うあたり、フィギュアスケートのような種目だといえるでしょうか。
ただ、里谷選手が金メダルを獲得したフリースタイルスキー同様に、スノーボードはとても「若い」スポーツ。選手たちは自分で決めたBGM(アップテンポな音楽が多いです)を演技中に流し、ムードを盛り上げます。観客のノリもよく、選手が豪快なジャンプを決めるたびに「ヒュー」という軽快な声援を飛ばすのです。
日本選手は全員が無念の予選落ち
いよいよ競技開始。日本選手たち、とくにワールドカップ優勝という栄誉を勝ち取ってオリンピック出場を果たした吉川選手には好成績の期待がかかります。でも、世界最高の選手たちが集う戦いはハイレベル。ちょっと失敗ひとつで大きく順位が変わってしまいます。しかも雨という最悪のコンディション。
でも、母国開催のオリンピックで、日本選手たちは守りに入ることなく、果敢に難度の高い大技にチャレンジ。観衆をわかせてくれました。きっと「里谷選手が思い切った滑りで大逆転の金メダル獲得を果たしたことが、日本選手たちの勇気を奮い起こしているんだろう」などと考えながら、取材班も大声で「ヒュー!」と声援を飛ばしたのですが。
神様は勇敢な日本選手たちの挑戦を無情にはねのけてしまいました。ミスが目立った日本選手は、残念ながら男子も女子も、あの吉川選手さえも予選落ちという結果に終わってしまったのです。
「悔いはないです」と吉川選手
演技の終了後、取材班は選手たちにコメントをいただくことができました。
「緊張もあまりなかったし、やれることは思いっきり楽しんでやれたので、悔いはないです。今度のワールドカップを見ていてください」という吉川選手。笑顔がとても印象的でした。今回は残念な結果になってしまいましたが、彼女にとって世界との戦いはこれからも日常的に続いていくのだと感じました。
ほかの選手たちの表情にも暗さはありません。「4年後には、またオリンピックに戻ってきたい」と言うのは男子の渡辺伸一選手。そうです、もうこの瞬間から、選手たちの新しい戦いは始まっているのです。
あの清水アキラさんも応援してました
競技の合間にモノマネの達人として有名なタレントの清水アキラさんとお会いしました。スキーの国体選手経験がある清水さん。スノーボードも「達人」なのかと思ったのですが、「スノーボード? この前、初めてやってみたら面白かった。でも、かなり恐いね。ちょっとの坂も崖に見えちゃうよ」とのこと。選手たちのダイナミックな演技に見入っていました。
ウインタースポーツは大好きな清水さん。日本選手団への応援メッセージをお願いすると「実は昨日の女子モーグルも会場で見ていたんだ。里谷多英選手には感動させてもらった。これからも、日本人の底力でどんどんドラマを作り出して欲しいね」と熱く語ってくださいました。
ワンダフル・オリンピック NAGANOで見つけたおすすめ情報
スイスのゲストハウス
長野市内のあちこちに、このオリンピックに参加している国の「ゲストハウス」が設けられています。ゲストハウスというのは、各国の選手やその家族、関係者のために作られた施設で、普通は一般客は利用できません。
でも、スイスのゲストハウスのレストランでは、誰でもおいしい本場のスイス料理を楽しめるのです。場所はセントラルスクエアから少し善光寺に向かった右側の角にある老舗レストラン「やま」。オリンピック期間中はスイスがこのレストランを貸切にして、ゲストハウス「やまスイスの家」としてレストランを営業しているのです。ここには当然、スイスチームの選手やその関係者もやってきますし、メダルをとればパーティも開くということです。
パーティなど特別な催しに一般客は参加できませんが、このレストランのスイス料理は絶品。チーズフォンデュなどおなじみの料理をはじめ、日替わりランチなど気軽に味わえるメニューがそろっています。マネージャーのボーデンマンさんも「たくさんの人に、スイスから持ってきた材料と料理を食べてほしいんです」とのこと。世界の文化に触れられるのはオリンピックの大きな魅力。ここではスイス風の「おいしいオリンピック」が楽しめますよ。
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