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山本良介選手(トライアスロン 男子)
上田藍選手(トライアスロン 女子)
トライアスロンは、1974年に誕生した比較的新しいスポーツで、オリンピックへの参入は2000年のシドニー大会から。スイム(競泳)1.5km、バイク(自転車)40km、ラン(マラソン)10kmの計51.5kmを競い、超人的な体力と精神力を必要とする「21世紀のスポーツ」として、世界的にも人気の競技です。
今回の北京オリンピック日本代表に選出されたのは、男子2名(山本良介選手・田山寛豪選手)、女子3名(上田藍選手・井出樹里選手・庭田清美選手)の計5名。
うち、山本選手と上田選手は、5月に開催されたアジアトライアスロン選手権(中国・広州)で見事優勝を果たしての、北京オリンピック出場権獲得となりました。
*記録は山本選手1:50:06、上田選手2:03:18
山本選手は、代表決定後に出場したジャパンカップ第4、5戦で2大会連続優勝を果たし、初のオリンピックに向けて順調な仕上がりを見せています。178cmのスラリとした長身でバイクを得意とする山本選手ですが、今から約8年前「(自分にトライアスロンは)向いてないかもしれない」と思い、トライアスロンをやめていた時期がありました。
当時、シドニーではオリンピックが開催されており、スポーツ観戦が好きな山本選手は単身シドニーに渡り、10競技以上を観戦。そこで初めて見るオリンピックでのトライアスロンに感動し、「どうしてもこの舞台に立ちたい!」という強い思いが生まれました。しかし、2004年のアテネオリンピックは代表まで一歩及ばず、補欠。「あの頃は実力が足りなかった…」と悔やみ、改めて「とにかく強くなる!」と心に決めました。
その後、2006年スーパースプリント選手権銚子大会や、2007年コンチネンタルカップ蒲郡大会などで優勝を飾り、着実に実力を付けていった山本選手。そして2008年、アジア選手権で優勝し、ついに「子どもの頃からの夢だった」というオリンピック出場権を獲得しました。 昨年開催されたプレオリンピック大会に出場した際の経験から、「北京は気温・湿度が高いですが、日本人には有利だと思います。条件を味方に付ければ、高いパフォーマンスを発揮できるはず」と、初めてのオリンピック出場に向け、力強く語ってくれました。
また、「高校卒業後、本格的にトライアスロンを始めた時から、北京オリンピック出場を目指してきました。6年越しの夢が実現しました。」と話すのは、同じく初のオリンピックに挑む上田選手。競技を始めて5カ月後に行われた2002年アジアジュニア選手権を制し、早くも才能を開花させた上田選手は、以後、2005年アジア選手権シンガポール大会U-23優勝、2006 年アジア選手権チュユグアン大会優勝、2007年アジア競技大会銀メダル、そして日本選手権東京湾大会では悲願の優勝と、日本女子トライアスロン界をリードしてきました。
ランを得意とする上田選手は、「オリンピックでは、スイムの後、バイクで第一集団に追いついて、ランで勝負したい」とレースプランを立て「北京オリンピックまでの残り日数、悔いのない練習をしていきたい」と、初の大舞台に向けて万全な準備をしています。
「必ずいい結果を残します!」と熱いハートを持つ山本選手と、「夢の舞台でメダルを獲得したい」と大きな目標を持つ上田選手。二人はともにアジア王者として北京オリンピックに挑みます。
(編集部 2008.7.18掲載)
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